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「AI検索への対策として、ブログ記事を増やした方がいいのでしょうか?」
最近、このような考え方を目にする機会が増えました。
ChatGPTやGemini、GoogleのAI検索などで自社が紹介される可能性を考えると、Webサイト上の情報量を増やしたくなるのは自然です。
ただ、BtoB製造業の場合は、ブログを増やす前に確認した方がよい場所があります。
それが、現在の製品ページ・技術ページです。
AI検索への対策だからと新しい記事を量産するより、すでに扱っている製品や技術について、
「何ができるのか」
「どんな用途に使えるのか」
「どこまで対応できるのか」
「他の製品とは何が違うのか」
を明確にした方が、検索する人にとっても、AIにとっても理解しやすい情報になります。
2026年にTen Speedが行った調査では、ChatGPT、Perplexity、Claude、Geminiで、BtoBの購買検討段階を想定した170種類の質問を調査しています。
そこで確認された7,387件の引用のうち、もっとも多かったページ種類は次のようになっていました。
製品・サービスページ:24.1%
記事・ニュース・PR:17.4%
比較ページ:約13%
ランキング・まとめページ:約13%
ブログ記事よりも、製品・サービスページの方が多く引用されていたという結果です。
ただし、この調査はBtoB SaaSやサービス企業などを中心としたもので、日本の製造業を直接調査したものではありません。
そのため、この数字だけを見て「製造業も製品ページを作ればAIに引用される」と考えるのは早計です。
一方で、この結果には納得できる部分もあります。
BtoBの購買検討が進んだ段階では、利用者が知りたいのは一般的な知識ではなく、
「この会社の製品は、自社の用途に使えるのか」
という具体的な情報だからです。
私が製造業のWebサイトを見る際、製品ページでよく確認するのが、
そのページだけで、初めて見る人が製品の用途を判断できるか
という点です。
例えば、
製品写真
製品名
型番
仕様表
PDFカタログ
までは掲載されている。
しかし、
何に使う製品なのか
どんな課題のときに選ぶのか
どの材料・設備・環境に対応するのか
サイズや仕様をどう選ぶのか
標準品と特注品の境界はどこか
似た製品との違い
実際の使用例
といった情報がほとんどないケースがあります。
既存顧客や業界に詳しい人なら型番だけでも理解できるかもしれません。
しかし、初めて製品を探している人や、調達担当者、さらにWeb上の情報から回答を組み立てるAIにとっては、判断材料が不足します。
ここで重要なのは、
AIに読ませるために情報を追加するのではない
ということです。
製品ページに必要な情報は、本来営業の場でも必要なものです。
営業担当者なら顧客から、
「これは○○にも使えますか?」
「このサイズまで対応できますか?」
「AとBは何が違いますか?」
「少量でも対応できますか?」
「既存設備に取り付けられますか?」
といった質問を受けているはずです。
その回答の一部をWebサイトに整理すれば、
営業担当者の説明
検索エンジン
AI検索
Webサイトを見た見込み顧客
が、同じ情報を利用できるようになります。
私は、ここがBtoB製造業のWeb改善ではかなり重要だと考えています。
AIOやSEOの相談になると、
「月に何本記事を書けばよいですか?」
という話になりがちです。
しかし、製品を探してサイトへ来た人が、肝心の製品ページを見ても判断できない状態なら、記事数だけを増やしても意味は限定的です。
例えば、10本の一般的な解説記事を追加する前に、
アクセスや問い合わせにつながる可能性の高い主要製品を5〜10点選び、
用途
特徴
対応範囲
選び方
他製品との違い
使用例
よくある質問
を追加する。
この方が、既存サイトの価値を高められる場合があります。
Googleも2026年に公開した生成AI検索向けのガイドで、検索パターンごとに大量のページを作ることより、独自性があり利用者に役立つ情報を提供することを勧めています。
つまり、
AIO対策=コンテンツ量を増やす
ではありません。
すべての製品ページに大量の文章を書く必要はありません。
製品によって必要な情報は異なりますが、私はまず次のような項目を確認します。
型番や専門名称だけでなく、
「何をするための製品なのか」
を短く説明します。
初めてその製品を知る人にも理解できる表現が必要です。
業種、工程、設備、対象物など、利用場面を具体化します。
「幅広い用途に対応」と書くだけでは、判断材料にはなりません。
寸法、材質、能力、加工範囲、対応規格など、その製品を選ぶ際に必要な条件を整理します。
逆に、対応できない範囲が明確な方が問い合わせしやすい場合もあります。
複数製品がある場合、
「Aはこういう場合」
「Bはこういう場合」
と選択基準を示します。
製品一覧だけ並べても、初めての人には違いが分かりません。
公開可能であれば、
どのような用途で使われているか、どのような条件に対応したかを掲載します。
企業名を公開できなくても、用途や対応内容だけなら紹介できる場合があります。
営業担当者が何度も説明している内容は、FAQ候補です。
Webサイトの文章を考えるときは、SEOツールだけを見るより、
実際の営業現場で何を聞かれているか
を確認する方が、有用な情報を見つけやすいことがあります。
製造業サイトでは、詳細情報をPDFカタログにまとめていることも多くあります。
カタログ自体は営業資料として重要です。
ただし、Webサイト側が、
「詳しくはPDFをご覧ください」
だけになっている場合は、一度見直してもよいでしょう。
少なくとも主要な製品については、
用途
特徴
主要仕様
対応範囲
選定ポイント
程度はWebページ上にも掲載する。
そのうえで、詳細寸法や図面などをPDFで補足する形の方が、Web上で製品を探している人にも情報が伝わりやすくなります。
AI検索対策では、構造化データや各種技術設定の話も出てきます。
Googleでも、該当する商品ページではProduct構造化データを利用することで、ページ内容をより正確に理解できるようにする仕組みがあります。
ただし、構造化データを設定したからといって、中身が不足しているページが良い製品ページになるわけではありません。
まず人が読んで理解できる情報を整理する。
そのうえで、
ページタイトル
見出し構造
内部リンク
構造化データ
画像情報
などを整えていく。
順番としてはこちらが自然です。
AIによって一般的な解説記事を作ることは、以前より簡単になりました。
そのため、
「○○とは?」
「○○のメリット5選」
といった一般情報だけでは、他社との差を出しにくくなっています。
一方、メーカーや製造業には、
実際の製品仕様
対応可能な加工範囲
設備
材料
技術上の制約
選定時の注意点
実際に顧客から受ける質問
現場で蓄積したノウハウ
があります。
これは、その会社自身しか持っていない情報です。
Googleも生成AI検索向けのガイドで、他のWebサイトをまとめ直しただけの情報より、専門家自身の経験や独自の知識から作られたコンテンツを重視する考え方を示しています。
AIO対策という言葉に引っ張られて新しい記事を増やすより、
自社しか持っていない情報が、既存ページにきちんと出ているか
を確認することから始めてもよいと思います。
AI検索が広がれば、企業サイトの情報の作り方も少しずつ変わっていくでしょう。
しかし、だからといって急いでブログを量産する必要はありません。
BtoB製造業であれば、まず主要な製品・技術ページを開いて、
「初めて見る人が、このページだけで製品の用途や対応範囲を判断できるか」
を確認してみてください。
不足している情報があれば、それを追加する。
製品同士の違いが分かりにくければ、比較できるようにする。
営業担当者しか説明できないことがあれば、公開できる範囲でWebへ移す。
こうした改善は、AI検索だけのための対策ではありません。
通常のGoogle検索にも、営業にも、Webサイトを訪れた顧客にも使える情報資産になります。
SDPlanningでは、AIOやSEOだけを見るのではなく、
「現在のサイトで何が不足しているのか」
「ブログを増やすべきか、既存ページを直すべきか」
「製品情報をどこまでWeb上に出すべきか」
といったところから一緒に整理しています。
AIO対策を何から始めるか決まっていない場合も、まず現在のWebサイトを確認し、手を入れるべきページの優先順位を整理するところから相談できます。
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